日本全国で厳しい暑さが連日続いていますが、皆さん元気でお過ごしでしょうか?
平年の気温よりもはるかに高く、砂漠にも似た炎天下の中、蒸し蒸しとした戸外でポスティングに汗する皆さんの姿が瞼に浮かんできます。
昨今ではほぼ10年周期で異常気象に伴う激暑が発生し、全国各地で日本の観測史上における最高気温を次々にマークしています。
特にヒートアイランド化が著しい関東圏、とりわけ横浜市や川崎市のようにオフィスビルを中心とした、超高層ビルが乱立する大都市圏でのポスティングは時として生命の危険にさらされる事も・・・。
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今回は神奈川県の各所で発生した、夏場のポスティングで実際に発生した緊急事態を5つご紹介したいと思います。
これらの実話を通じて是非、夏場の戸外活動における防暑対策の一環としてお役立てください。
目次
気づけば、同じポストに何枚も同じチラシを投函していた
もはや、故意や過失では済まされない話なのですが・・・
余りの暑さに意識がもうろうとした状態でポスティングを続けていると、こうしたミスを平然と冒してしまう事があります。
丁度疲れ目で、本の同じ文章を何度もなぞらえていくような感じに似ていますね。
ご存知の通り、チラシポスティングは広告主から特別の指示がない限り、原則『1ポスト1チラシ』がルールです。
この行為は同じポストに何枚もチラシを投函してしまう『重配』と看做され、回収のペナルティが投函員もしくはポスティング代行業者に課されてしまいます。
対策
心身共にかなり暑さに参っている状態ですので、上記のようなムダな作業に翻弄されないよう、例えば2時間活動すれば30分休むなど、時間を決めて木陰やコンビニエンスストアなどの涼しい場所で身体を休ませましょう。
汗でチラシが濡れてボロボロになってしまった
チラシの持ち方やセッティングの仕方によっては、汗でチラシの一部が濡れてダメになるケースがあります。
まず、梅雨時のような悪天候下ではなく、日差しの厳しい炎天下でのポスティングですので、雨でチラシが濡れるという事態は常識から考えても100%発生しません。
濡れるとしたら概ね、投函員の流した汗以外に考えられないのです。
ポスティング業界では『水濡れしたチラシは如何なる理由があろうとも、投函してはいけない』という暗黙のルールがあります。
いきなりポストに濡れまくったチラシを入れられた住人の気持ちに立って考えてみれば、至極当然の事だと言えるでしょう。
このケースはウォーキングによるチラシポスティングに多いのですが、例えばチラシをずっと小脇に抱えて投函を続けていると、脇や腕から大量に噴き出た汗でチラシがふやける事があります。
体温調整に汗はつきもの。水分を摂れば摂るほど、大量の汗が体外に流れ出てしまいます。
ポスティングの投函活動では『チラシの保全義務』が投函員に要求されますので、破れたチラシやぐしゃぐしゃに折れ曲がったものは絶対に投函してはいけません。
ましてや濡れてふやけてしまったチラシは論外です。
対策
効率重視で大量にチラシを手や脇に持つのではなく、ビニール袋や大型ポシェットなどに格納して必要な分だけを持ち歩くようにしましょう。
また汗はそのままにしておくと極めて不衛生ですので、こまめにタオルなどで拭き取りましょう。
物件内の集合ポストの前で意識を失った
最近は空調の効いたマンションが増え、屋内に関しては随分と快適な居住空間が実現されるようになりました。
ところが、それはあくまで「屋内」に限られた話で、物件内で外側に張り出すように設置された集合ポスト周辺は空調の恩恵を受けていない事が多く、夏場においては屋外よりも3~4℃も気温が高くなる事があります。
夏場ではポスティングのみならず、他の屋外作業においても大敵である熱中症。
熱中症は第Ⅰ度から第Ⅲ度まで症状が分かれています。度数が増えるに従って症状が深刻になり、一般的には第Ⅱ度まで症状が悪化した場合に病院での治療が必要になります。
このケースで登場する投函員(男性)はポスティングで功を焦っていました。
全く休憩を取らず、ろくに水分も補給せず、そして体調の静かな急変に気づかないまま物件を次から次へと移動して集合配布を繰り返すという、まさに無謀の極みとも言えるポスティングに無意識のうちに携わっていたのです。
そして35℃だった屋外の気温よりも5℃以上高い、ある物件の集合ポストで投函していた矢先、急にチラシをめくる指が激しくつり始め、次第に立っていられなくなって目の前が真っ暗に・・・。
たまたま郵便物を取りに来た住人に発見され、病院に搬送されて一命は食い止めたのですが・・・退院までに3日を要するほどの重病を患う結果となりました。
この時、熱中症のランクで言えば、彼は第Ⅲ度に見られる『ひきつけ(痙攣)』『歩行困難』『昏倒』の3つの症状にかかっていたのです。
対策
発汗による体温調整と水分補給のバランスが崩れた時、熱中症にかかるリスクは倍増します。
例えば早朝や午前中の気温が上がりきらない時間帯に切り替えてポスティングを行う、経済状態が許されるのであれば、夏場は配布枚数を減らすなどの工夫を凝らしましょう。
睡眠不足で事故を起こした
連日2~3時間しか睡眠が取れずに酷い頭痛に苛まれる中、バイクでポスティングの現場に向かう途中でハンドル操作を誤って電柱に激突、顔面への強い打撲などの大ケガを負ってしまいました。
対策
夏場は夜でも蒸し暑く、どうしても寝苦しくなって睡眠が浅くなりがちに。
また成人男性に必要な睡眠時間は平均6~7時間だと言われていますから、明らかに睡眠時間が少なすぎますよね。
しかもこの状態を連日繰り返していたわけですから、心身の疲労も限界に達していたのではないでしょうか。
夏場のエアコンは就寝時に消すというのが社会的な通例となっていますが、異常な高温の中ではそうは言っていられません。
十分な睡眠時間を取るためにも、就寝後もエアコンをつけたままにするのも有効かもしれませんね。
就寝時間から2時間後くらいでオフになるようにタイマーをセットの上、就寝後は26~28℃くらいを目安に風量は『静』または『微』をキープ。直接冷風に当たらないようにしてゆっくり就寝しましょう。
まとめ
以上、夏場のポスティングでの信じられない緊急事態とその対策について取り上げてみました。
この4つの事例は神奈川県をはじめ、全国で発生した夏場の「とんでも」話の最たるものですが、他にもまだまだこういった類の人災や事故は枚挙に暇がありません。
それでも共通して言える事は、いずれも『有効な対策が立てられた』という事実です。
汗を流すのは構いませんが、夏場の暑さにだけは流されないように日々、心がけましょう。