この記事は、『今さら人には聞けないポスティングの用語集 基本編』の続編に当たります。
基本編同様に、業界で使用される専門用語については意外と知らない、もしくは正確な意味を分かっていない方もいらっしゃるかもしれません。
例えば『重配』。
実際にポスティングに携わる方にとっても、初めて耳にする専門用語かもしれませんね。
今回は、投函物を中心としたポスティングの用語集をまとめてみました。
目次
投函物に関する用語 「広告物」編
広告物を大別すると、3種類あります。
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チラシ(ビラ)
『チラシ』とは、ポスティングで主に各戸の郵便ポストに投函される広告物を指します。
チラシは別名『ビラ』とも称されますが、実はチラシとビラには明確な違いがあります。
ポスティング業界では、
- 街頭で通行人に対して広告物・頒布物を手渡しする行為などが「ビラ配り」
- 戸建て住宅やマンションなどの郵便ポストに、広告物や政府・自治体刊行物を投函する行為が「チラシポスティング」
大まかですが、このように分けられています。
近年ではチラシ(ビラ)の種類やサイズ、紙質も多様化しています。この事はつまり、ポスティングビジネスにおいて成長の可能性が無限大に存在する事を示唆しているのかもしれません。
カタログ
一般的には、企業から何らかの有料サービスを提供されている登録会員などに、定期的に届けられる会報誌を指します。
例えば、通販サイトではリピーター向けの商品リストやサービス一覧表、ケーブルテレビでは番組プログラムなどの総合コンテンツが相当するでしょう。
ただ、ポスティングで取り扱われるカタログは一般のものとは違い、顧客開拓のための広告宣伝的な意味合いが強く、ニーズが見込まれる限られたエリアで軒並み(全戸)配布されるケースが多いとの事。
特徴としては、一冊の書籍と思われるくらいに厚く、ペラ物であるチラシとは一線を画しています。
逆に言えば重量物に分類されるため搬送に難があり、投函員泣かせの投函物でもあるようですね。
小冊子(パンフレット)
カタログをより小さく、薄くした形状によく似ている広告媒体物の『小冊子(パンフレット)』。
ピザや寿司などの食品系宅配チェーン店でよく使用されるタイプの投函物です。
サイズ的には、キャンペーン向け商品で販売促進効果の高いA判のA4、B判のB5が好まれています。
最近はお得な割引クーポンなどが付いていますので、住民から喜ばれる唯一の投函物かもしれませんね。
投函物に関する用語 「頒布物」編
サンプリング
商品見本も立派な投函物の一つ。
新商品が中心の『サンプリング』の場合、チラシとは異なり実物を伴います。
ある程度広範なエリアで、商品プロモーションに併せる形で投函期日とお届け先を限定する事が多いようですね。
またはエリア・マーケティングの一環として、見込みユーザーが住む周辺一帯にサンプリングを実施する場合もあるようです。
サイズも小さなものでは消しゴムクラス、大きなものになるとパソコンや液晶テレビクラスに(!)
ただ、スマートフォンサイズよりも大型のサンプリングはポスティングで扱う事が難しくなり、運送会社経由で宅配されるケースが多くなりますので、ここでのご説明は割愛させていただきます。
投函物に関する用語 「その他」編
政府、自治体刊行物
「市政だより」「都政だより」でおなじみの『自治体刊行物』の各戸配布も、れっきとしたポスティングの一つ。
もちろん、自治体刊行物はチラシではありませんのでご注意ください。
選挙シーズンでは立候補者のビラが街頭で配られたり、郵便ポストに投函されていたりしますが、広義の意味で政府刊行物の一つと考えても良いでしょう。
投函先に関する用語
戸建て配布
一戸建ての住宅ポストに、広告物や頒布物、政府・自治体刊行物を投函する事を指します。
集合配布
アパート・マンション・団地などの集合住宅のポストに、上記物を投函する事を指します。
法人配布
法人ビルにテナントを借りている企業や事業者の業務用ポストに、上記物を投函する事を指します。
商店配布
商店街の商店に限定して手渡しで配布するケースが多いのですが、高層マンションの多い神奈川県ではあまり行われなくなりました…。
配布種別に関する用語
単配
『単配』は、一種類の広告物や頒布物、政府・自治体刊行物をポストに投函する事。
お世辞にも配布効率は良いとは言えませんが、一番丁寧で多用されるタイプのポスティングです。
併配
『併配』は、種類の違う上記の広告物を2組に併せてポストに投函する事。
最近は過当競争で厳しい情勢にある配布料の関係で、このタイプのポスティングが増加しています。
配布効率は劇的に向上しますが、欠点は広告物がぞんざいに扱われる傾向にある事。
数(枚数)と時間(スピード)が要求されるポスティングで、丁寧さや誠実さといった投函員やポスティング代行業者の質や業務スキルが問われる配布手法でしょう。
重配
『重配』は、種類の違う上記の広告物を3組以上に併せてポストに投函する事。
併配よりも若干、配布効率は上がりますが、労力や料金の面から考えますと、ポスティング代行業者は別として、業務委託員にはあまり旨味はありません。
今も昔も過密スケジュールに悩まされる神奈川県下のポスティング業者で、苦肉の策手法として一時期流行しました。ですが、チラシの著しい破損などによるクレームが多くなったためにかえってコスト高となり、現在ではそれほど行われていないようです…。
配府形態に関する用語
指定配布
狭小なエリアで、予め指定された物件のみにポスティングするスタイルと、ある程度広範なエリアで、区画ごとにまとめて投函するスタイルに大別されるのが『指定配布』。
投函物として一番多いのが通販サイトの商品カタログ、頒布物である新商品のサンプリングでしょう。
軒並み配布(全戸配布)
限られた配布エリアで、全ての物件に対してポスティングを行います。
周知徹底を旨とする手法で、投函物として一番多いのが、食品系小冊子(パンフレット)や政府・自治体刊行物でしょう。
ランダム配布
既存の配布エリアの有無に関係なく、不特定多数の物件に対して無差別にポスティングを行います。
主な目的としては、未開拓エリアにおけるニーズの発掘と顧客開拓など、極めて新規性の強いポスティング活動で採られる配布手法です。
インターネットや美容系を含む広告物全般が該当するでしょう。
他にも知っておきたいメールに関する用語
開始メール
ポスティングの現場に到着し、準備が整った後に依頼主に送る、最初の一軒目に取り掛かる直前に「作業開始」を伝えるメール。
開始メールのタイミング(例:「現場到着時」「準備完了後」「ポスティングの最初の一軒目」など)については、雇用主あるいは依頼主に確認しましょう。
終了(完了)メール
ポスティング対象の全エリアで、広告物の投函が全て終了して送る、「作業終了(完了)」を伝えるメールの事。
こちらも「開始メール」同様に、業者によって受けるタイミング(例:「最後の一軒の終了直後」「帰社後」など)が異なります。
確認しておきましょう。
まとめ
「え!そうだったの?!」と、初めて業界用語の本当の意味を知った方もいれば、「何を今さら…こんなの当たり前じゃん」と思われた方もいたでしょう。
プロとしてポスティングに従事する以上、当然ながら最低限の知識は弁えておく必要があります。
これを機に、今までの勘違いをリセットしてみませんか?